「ウグイスの初鳴き」という表現をご存じでしょうか。
ウグイスは別名を春告鳥というくらいですから、早春からその存在感を示すが如く自己主張を行います。
それが日本人ならだれもが知っているあの鳴き声、「ホーホケキョ」です。これは「囀り(さえずり)」といわれる鳴き声です。
私の探鳥フィールド(愛媛県新居浜市滝の宮公園) では、早春からお盆の頃まで聞かれます。
ウグイスは春になったからといってすぐに美しく囀ることができるわけではなく、謂わば「練習期間」のようなものが必要です。
初めはなかなか「ホ—ホケキョ」とは囀ることができず、「ホ—ホケキョ」の途中で止まったり、リズムがおかしかったり、調子が外れていることもあります。
しかし、練習を重ねていくとだんだんと上手くなっていき、だれが聞いてもウグイスだと分かる囀りをある日我々は耳にするわけです。
滝の宮公園のウグイスの初鳴きは?
私がフィールドにしている滝の宮公園(愛媛県新居浜市)で野鳥の撮影と観察をするようになって今年で4回目の春を迎えようとしています。
2016年はまだ観察に慣れていなくて、ウグイスの初鳴きを意識することはなくデータが残っていません。
2017年は2月25日です。
緩やかな坂道を上っている時に頭上の茂みから「ホーホケキョ」と聞こえてきました。
2018年は2月27日でした。
その4日後には、数カ所のポイントでウグイスの囀りが聞かれるようになりました。
参考までに、気象庁が発表している県内のウグイスの初鳴き情報を紹介しておきますと、県庁所在地である松山市で例年3月の第1週のどこかで観察されているようです。
2019年の初鳴きは、2月7日!!
2月4日に、「あっ、ウグイスが囀りの練習を始めた!」と分かる鳴き声を聞きました。まったくもって不完全で短い音でしたので言葉にするのが難しいのですが、「キョッ」とか「ホッケ」という短い鳴き声でした。
その後も連日類似の鳴き声をどこかで聞きました。
そして、7日の午前中にあるポイントで、「ホケッ」と鳴くのを何度か聞きました。その日の午後に同じポイントで、今度は「ホケッ」と何回か鳴いた後に、
『ホーホーホーホーホーケッキョッ』
と聞こえてきました。その直後からしばらくの間断続的に同様の鳴き声を発していました。
ここまでくると下手ながら誰が聞いてもウグイスの囀りだと分かります。
これがその時の鳴き声です。(スマホで録音したので音量が低いです。)
ぐぜり?それとも囀り?
囀りの練習過程に発する下手な、不完全な鳴き声を「ぐぜり(鳴き)」というらしいのですが、ぐぜりと初鳴きとしての囀りの区別がつかなくて、野鳥の会の人に尋ねてみました。
「鳥類学辞典」を基に回答してくださりました。
要約すると、
「ぐぜる」の定義的な部分を抽出すれば、「通常の型にはまったさえずりに対して、雑な感じで取りとめなく、つぶやくように、きわめて変化に富んだ鳴き声」
とのことで、私見として
ウグイスに「ぐぜる」を使うに違和感があります。もっと複雑なさえずりを行う鳥に使うイメージです。
と書かれていました。
結論としては、
録音レベルが低いので、はっきりは言えませんが、さえずりかと思います。早すぎるわけでもないかと思います。
とコメントをくれました。
上記に示した初鳴きデータから、初鳴きにしては早すぎるのではないかという私の判断にも触れてくれています。
今回は、単純な使い方をしていた「ぐぜり」という言葉の定義を知ることもでき、大変ためになりました。
素人バーダーとは異なり、専門家の考えや判断には含蓄があると実感いたしました。
野鳥の会のM様、ありがとうございました。
コメント
山歩きにバードウォッチング、お元気そうで何よりです。(^^)v
ウグイスの初鳴きに興味を持って以来、初鳴きに遭遇するぞ!と思ってできる限り予想される時期は出かけるようにしています。しかし、今年は予想よりも3週間近く早くて驚きました。囀りになっていない段階から聞いていたので感慨深いものがあります。
カワセミですが、赤い足は成鳥の印ですね。他の体色も成鳥になると美しいです。
カワセミは好みの場所を見つけると遭遇率が高まります。こちらは池なので水が綺麗ではありません。川でカワセミのポイントを見つけたいものです。
西倉さんもインフルエンザなど気をつけて探鳥を楽しんでください。
すっかりご無沙汰しております。
びっくりしたのですが、私も一昨日(7日)に大平山でウグイスの初鳴きに遭遇したのです。
前日に何とはなしにチャッチャッと聞こえる地鳴きとは違う鳴き声を感じていたのですが、この日は完璧に「ホーホケキョ」と聞き取れました。
分差で登って来た主人も耳にした様です。
次の日には、ジョウビタキ♂やメジロ、エナガの群れ、シジュウガラと収獲の多い日が続き、山歩きの楽しさが倍増しています。
溜川ではカワセミも2時間くらいの間に必ずと言っていいくらい現れてくれます。
先日はかなりの至近距離に止まり、ダイブで魚を咥えたり、ホバリングしたりしてくれたので、デジカメで撮りましたが、近藤様の足元にも及びません(笑)
アップの写真で気づいたのですが、カワセミの足は綺麗な赤色なんですね~
次回、スコープで確かめたいと思います。
お仕事のお忙しい時期、お体ご自愛下さいませ。