今日の「Bird of the day」は、久しぶりに出会えた華麗で可憐な青い小鳥、雄のルリビタキです。
(青・橙・白のコントラストが美しいルリビタキ)
昨年の11月から12月までは時折撮影機会がありましたが、その後は2ヶ月近く雄には会う機会がありませんでした。
決して、個体数が少ないわけではありません。
鳴き声を聞く場所から判断して、おそらく昨季よりも多いのではないかと推測しているほどです。
実際、撮影できるかどうかは別にして、雌の姿は2回探鳥ウォーキングに出かければ1回は観察できています。
正確に言うと、会えているのは雌あるいは雌と判別が付かない若雄(メスタイプ)であり、明るい青色の雄の成鳥あるいは成長に近い雄には12月の中旬以降なぜか会う機会がなかったのです。

青いルリビタキとの出会い
10日ほど前に青いルリビタキの目撃情報を得ました。
教えてくれたのは、ウォーキング・コースで毎回のように出会うウォーキングをしている人でした。
私が野鳥を撮影している時に通りかかると、撮影の邪魔にならないように足を止め音を立てないようにいつも気を遣ってくれています。
そういう際に、撮影していた鳥名を尋ねられたら鳥名とともに簡単な説明も付け加えてお教えしたり、撮影したばかりの写真を見せてあげたりしていました。
その人が、帰りのコースのある場所で、私から聞いていた青い鳥が目の前の桜の木に止まっていて驚いたと次の日に報告してくれました。
その場所は私がたまにしか歩かないコースでした。
青いルリビタキに会いたい私はその話を聞いてからは出会いを求め、コースを少し変更して往路復路ともにその場所を通るようにしました。
しかし、そう上手く会えるものではありません。
そして、その人が再び2日前に同じ場所で青いルリビタキを見たというのです。
もしかすると時間帯が関係しているかもしれないと考え、その場所まで一緒に帰りました。
すると、現場について2~3分ほどするとルリビタキの地鳴きが聞こえてきたではありませんか!
「グッ、グッ、グッ」
頭上を見ると瑠璃色が眩しいルリビタキがいました!
間違いなく雄です!
ここから約50分におよぶ撮影が始まりました。実に楽しい時間でした。
ルリビタキ(♂)のミニ写真集
ルリビタキの雄は最初から青いわけではなく、綺麗な瑠璃色になるのにある図鑑によると3年、また別の図鑑によると個体差もあるけれども4年以上かかると記されています。(調べた範囲では後者の説が有力なような気がします。)
「雌にしか会えない」と感じるのは、そういう事情によるところが大きいのでしょうね。
今日出会えた個体は、頭頂部や背中などに若雄を思わせる茶色が残っているようなので、4年以上かかるという説を前提にすると、個体差も考慮して3年目の冬か4年目の冬くらいでしょうか。(図鑑の写真では、2年目の冬をむかえた個体はもっと茶色が目立ちます。)
それでは「青いルリビタキ」をお楽しみください。
写真はすべて、時系列で掲載しています。
この場所が気に入ったのか、数分間ここから動きませんでした。撮影には小枝が邪魔で仕方ありませんでした。
近くの枝に移ってくれましたが…。前ボケ後ボケが気になります。
ボケた枝が邪魔だし背景が悪かったので、撮影位置を変えながらベストアングルをさがしました。頭付近の後ろにある小枝が視覚的には気になりましたが、妥協するしかありません。この横枝も気に入ったようでかなり長時間、10分以上でしょうか、この場所から動きませんでした。
右を向いたり左を向いたり、時にはお尻を向けたり、くるくると辺りの様子を見ているようでした。
地上に降りて餌探しのようです。頭部から肩や背中の状態がよく分かります。
公園の植え込みの背後なので暗くて手振れ写真を量産してしまいました。
ほぼ目線の枝に止まってくれました。見上げなくてもよいのでビッグチャンスです。
頭部から背中の明るいブルー、脇の山吹色あるいは橙色、そして腹部の白色、ルリビタキの最大の魅力はこの色のコントラストにあると言えるでしょうね。
再び地上に降りてしばらくの間ウロチョロしました。時折、「フィー、フィー、フィー」と地鳴きします。
目が合いました。(^^)
低い桜の木に上がりました。ここでもいろいろなポーズをとってくれました。
何か小さな昆虫でしょうか、咥えているようです。色のコントラストが美しいですね!
ここでも地鳴きを繰り返していました。「フィー、フィー、フィー」という地鳴きだけを発しているときは、それに合わせて撮影することは難しくありません。同じリズムで鳴きますから。
後頭部や背中に少し茶色が混ざっているのが観察できます。成鳥の一歩手前というところでしょうね。
再び地面に降り立ち、黄昏れています。(^^)
下(↓)のメスタイプと比較しやすいようにアップのを一枚。
この個体はメスタイプ(雌のように見える若雄)ではないかと考えています。肩や背中に薄くブルーが透けて見えるところがあります。
(比較参照写真)
◎メスタイプと思われる個体の他の写真

あとがき
今日は同一個体が50分ほど撮影させてくれました。
公園内ではありますが、ウォーキング・コースを兼ねた車道沿いということもあって、時折車や大きな声で話しながら歩く人に驚いて一時的に数十メートル先まで離れることはありました。
しかし、これほど長い時間ルリビタキを撮影できたのは3回目の冬にして初めての経験でした。
”柳の下に2匹目のドジョウ”がいるかどうかは分かりませんが、期待せずにはいられないポイントとなりました。