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ペアでかいがいしく巣作りにいそしむコサメビタキ

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最近、山の「探鳥フィールド」として、別子山(愛媛県)の標高約1000mほどのところにある白樺林および隣接する一帯に時折通うようになりました。

この白樺林の東側には見晴らしのよい草地があるのですが、ある樹上でコサメビタキが営巣準備をしているところを偶然に目撃しました。

野鳥撮影歴2年目の初心者にとっては初めてのことで、しかも撮影までできたのですからとてもラッキーだったと思っています。

せっかく撮影できたので、巣作り作業が分かるようにこのシーンだけを詳しく取りあげようと思います。

結果として、どなたかの好奇心を満足させ、何らかのお役に立つことを願います。

撮影日は5月1日です。

こちらの記事も参考にしてください。

今日5月1日の「今日の野鳥」は、白いアイリングが太めで瞳がクリッとして大きく見えることでファンが多いコサメビタキが主役です。 最近まで...

コサメビタキの巣の特徴と参考写真

各種野鳥図鑑に載っている情報、現場での観察結果、モニタ上で写真から得られる情報を基にしてまとめたものです。

※生態観察は素人ですので間違っている可能性があるかもしれません。

  1. 樹木の地上2.5~8mくらいの高さに作る
  2. 巣をかける場所は、見通しのよい場所を選ぶ傾向がある
  3. 横枝などの水平なところを利用して「木のコブ」に見えるように作る
  4. 巣作りはペアが共同で行う
  5. クモの糸を使って地衣類や樹皮などをていねいに張りお椀形に作る
  6. 外装表面にはカムフラージュのためにウメノキゴケを張りつける
  7. 巣の内側には細い根っこ、獣の毛や羽毛などを使う

岩や木の切り株に生えている苔を採ってきて内装に使うようです。

巣の上下左右にもウメノキゴケが付いているので、巣の外装にウメノキゴケを張ることで保護色を完成させていることが分かります。

枝本来の部分と巣との区別は「クモの糸」を見れば分かります。ウメノキゴケが剥がれないように”接着剤”代わりにクモの糸を使っているので、クモの糸の有無で境界が判別できます。

巣の右に垂れ下がっているように見える部分は、おそらく、巣を固定するための部分で左側奥にも同様の部分があるように思います。つまり、枝を挟むように作り上げているのではないでしょうか。

★5月5日 追記:4日撮影

3日後の4日に撮影したのが上の画像ですが、高さが倍近くになっています。一度に大量の材料を運べるわけではないのにものすごい労力だと思います。

おそらく睡眠と食事以外の時間はほぼ巣作りに費やしているのでしょうね。

静止画で見る巣作りシーン

3秒足らずの間に連続的に撮影した写真から、巣作りの作業の流れが分かるように18枚を選んで撮影順に並べました。

現場では距離もあり気が付かなかったのですが、帰宅して写真を見ていて気が付いたことがあります。(なにしろ野鳥撮影歴2年目なので間違っているかもしれませんが。)

その1:翼を広げていない時

コケなどを貼り付けるのに使う蜘蛛の糸を、本物の糸を紡ぐように嘴で咥えて引っ張って伸ばしています。

その2:翼を広げている時

その糸を巣の外側に絡めるようにつづっています。下を向いての作業になるので落ちないようにバランスをとるためでしょうか。


巣に戻って来てすぐに撮影を始めたのですが、もうすでに作業に取りかかっています。

この表情はもしかすると撮影者の私が威嚇されているのでしょうか。それとも、パートナーとコミュニケーションをとっているのでしょうか。

蜘蛛の糸を嘴で咥えています。こういう時はかならず蜘蛛の糸を扱っています。

拡大表示でご覧いただくと蜘蛛の糸まで分かると思います。

準備ができた蜘蛛の糸をコケに貼り付けるように絡めているようです。

貼り付け作業が終わると再び蜘蛛の糸を用意します。これを繰り返します。

最後の2~3枚はAFのピントが甘くなってしまいました。

動画(パラパラ漫画)で見る巣作りシーン

上の18枚の写真をつないでパラパラ漫画風に連続的に表示すると一連の作業の流れがよく分かります。スロー側に約3倍速になっています。

コサメビタキのバードウォッチング情報

特徴と生態・分布・生育場所

◎全長13cm ●夏鳥 ★雌雄同色

似ている同種のサメビタキよりも少し小さいところからこの名前が付いたようです。

夏鳥として九州以北に渡ってきて、平地から山地の、丘陵地帯の林や比較的明るい林、特に落葉広葉樹林に生息します。(後述する私のフィールドである公園はまさに丘陵地帯に広がっています。)

春秋の渡りの時期には市街地の公園などでも見られることが多いようです。実際、私の普段のフィールドにしている公園でも昨年の秋、今年の春と見られています。しかし、夏の間は見ていませんので、渡りの時だけ一時的にいるのだろうと推測できます。

身軽な鳥として知られており、飛びながら空中に停まったり、すばやくUターンをするのが得意なようです。実際、巣作り作業中の1羽が私の目の前で「Uターン」するのを目撃しました。

また、我々から見ると目立つ枯れ枝、コサメビタキの立場では見通しの良い枯れ枝から飛び立って、フライングキャッチで飛んでいる昆虫類を補食する姿をよく見かけます。

秋の渡り期には、樹木の実がなっている木によく現れので、10月上旬は好物のミズキの実がある付近で待機するのがよいかもしれません。


頭部から体上面は灰色みのある褐色系の色で、翼と尾羽は濃い灰色をしています。

喉と体下面は一様に白いですが、胸には淡い灰褐色みが見られます。

類種のサメビタキやエゾビタキの胸には暗褐色の縦斑がありますが本種にはそれがないので、有益な識別ポイントになるでしょう。

目が大きく見える理由はアイシャドー効果!!

コサメビタキは姿は地味ですが、目が大きくてクリッと可愛らしいので意外にファンが多いようです。

実は、本種の目がひときわ大きく見えるのには理由があって、目の縁にある肉質のリングが黒いので瞳と同化してその分大きく見えるようです。(この特徴は、コサメビタキ固有のものではありません。念のため。)

この点は普通の写真では確認できないので、拡大した写真を載せておきます。このままでも確認できると思いますが、分かりにくければ拡大してみてください。

いわば、アイシャドー効果で実際よりも大きく見えているわけですね。

類種との識別ポイント

1.アイリングは輪郭は少々不明瞭ながらも太くて白い

2.輪郭は不明瞭ながら目先が広範囲に白い(個体差があるかもしれない。)

3.胸に縦斑はなく、淡い灰褐色

4.下嘴の基部が明るい黄色~橙黄色(ここに光が当たるととても鮮やかです。)

さえずり・地鳴き/聞きなし

鳴き声は今まで聞いたことがありません。

図鑑によると、

さえずりは複雑な上に早口で小声なので遠くまで届かないし、さらに番(つがい)になるとさえずらなくなる

とのことなので、さえずりで気が付くというのは可能性が低そうですね。

あとがき

巣を見つけてしまったので、その後がどうしても気になります。可能ならば、巣立ちまで定期的に観察したいと思っています。

しかし同時に、巣の観察は慎重に行う必要があると聞いたことがあります。

上の巣は遊歩道の真上に張り出した枝に作られているので、その下を人が歩いてもあまり気にしていないようにも見えました。

種や個体差によっても「警戒心」には違いがあるのかもしれませんが、いずれにせよ、ストレスをあまり与えないように撮影できる程度に遠くから静かに見守りたいと思います。

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